reon|レオンができるまで

自社の強みに気づく

株式会社エイワは、自社の強みを生かした商品開発ができないかデザイン会社norunに協業を依頼したところから始まりました。norunは以前、エイワの会社案内を制作担当しエイワの持つポテンシャルの高い、提案力・技術力・対応力・人間力をヒアリングの中から見出しました。エイワには板金・製缶・マシニングなどの設備が整っており、他社では困難とされる加工も、設計・プログラミングから加工・組立・検査・納品まで一貫生産で行っています。
そんな自分たちの魅力を示す"カタチ"として、会社のシンボルマークを自分たちの技術で作ることができないか提案。エイワの試工錯誤の精神で、設計・板金・製缶・溶接・マシニング加工の連携を経て、クランプを必要としない、みんなの技術が詰まったシンボルマークのオブジェが完成しました。

​このときの企画が商品アイデアの礎となりました。

部品を組合せて、商品になる。

0.001mmの公差もある厳しい加工精度を日常に、日々変わる顧客の要望にお応えする毎日。reonでは自社のブランドロゴを作ったときのように、高精度な金属部品を組合せて一つの商品になることがエイワの強みだと気づき、部品を組合せることでできる商品イメージをnorunが提案。日常の中にあったモノづくりの当たり前を職人と共有した瞬間でした。

独自規格、9R(半径9mm)の誕生

商品の個性として、コーナー部を揃えることを思いつき、いろんなR形状を用意して検証し、大多数の意見からreon独自の角RΦ18mmを導き出しました。自分たちでエビデンスをとった独自規格を誕生しました。

実際の金属の曲げ加工でこの9Rを全てに実現することは本当に難しく、やり方を変えたり治具を作成したり、まさに試工錯誤の連続でした。

工場家具を自分たちでつくる文化を商品の柱に

機械加工をする際、身の回りのツール置き場などの確保に、機械の種類に合わせて、棚や作業台などを自分たちでつくる文化が根づいていました。一度作れば何十年も壊れない耐久性。新しいものを作るのではなく、自分たちが何気に作り上げてきたノウハウの詰まった"工場家具"に"エイワの強み"というエッセンスを加えたリプロダクトをnorunが提案しました。

"誇りと文化"を"カタチ"に

部品を組み合わせること、角をなめらかにする人を想う安全性、自分たちが知らぬ間に気づいてきた工場家具文化。こうした変わらぬものづくりの"誇りと文化"を"カタチ"にした、4つの工場家具のデザイン(デスク・台車・棚・有孔ボード)と、オリジナル書体のアルファベット銘板を開発。自分たちの誇りと文化をプロダクトの個性にし、これから使う人を想像しながら、自分たちが主体となるモノづくりが始まりました。

工場家具ブランドreonは、2022年グッドデザイン賞を受賞しました。

reon(レオン)の製品は、造り手が人を想う優しさと使う人の安全に配慮したデザインを目指しています。シリーズの商品の全てのコーナーをR9としラインナップ。今後作り出される自社の工場家具も同一規定により生み出され、新たな商品開発をしていくサイクルがあります。